債券の基礎(3)フォワードレート
スポンサーリンク
前回はゼロレートがどういうものかを学習しました。
そして、ゼロクーポン債の利回りと通常のクーポン債の価格からブートストラップ法を用いて色々な期間ゼロレートを求め、ゼロカーブから未知の期間のレートを推定するということを確認しました。今回は、フォワードレートについて解説します。また、次回はそれを取引する契約であるFRA(Forward Rate Agreement)とユーロダラー先物について説明したいと思います。
ひとことで言えば、フォワードレートとは将来から将来にかけてのディスカウントレートです。 今回は、連続複利ではなく、次回説明するFRAの慣習にならって、3か月区切りで考えてみましょう。ゼロレートとフォワードレートの関係を図にすると以下のようになります。ゼロレートは現在から将来までの話ですが、フォワードレートは将来から将来までの話です。
今、元手の資金を6ヶ月間運用すると
になります。これは、最初の3か月を現在のゼロレートで運用し、のこりの3か月間を3か月目から6ヶ月目のレートで運用するときと同じはずですから
と等しいはずです*1。したがって、
が現在のゼロレートから推定される、3か月目から6ヶ月目までのフォワードレートです。これは「現時点でのゼロレートをもとに推測した、3か月後の3か月ゼロレート」であると言えます。
ただし、実際に3か月後に、3か月ゼロレートが現在のフォワードレートになっているかどうかは分かりません。3か月後に金利が上昇していると困る人や、また金利が下落すると見込んで利益を上げたいという人がいた場合、次回説明するFRAや、また特にドルに限って言えばユーロダラー先物を取引することで望みをかなえることができます。
今回はここまでです。次回は、FRAとユーロダラーについて解説します。
*1:実は、これは正しくありません。正確には、
となりますが、これについては後で解説します。