佐藤茂のときどき真面目な金融日記

とある外資系トレーダーが綴る、金融中心かと思いきや雑多なブログ

ヘッジファンドの閉鎖相次ぐ。今度はアセンドキャピタル(Ascend Capital)が。

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こんにちわ。佐藤です。

先月(2018年10月)のヘッジファンドのパフォーマンスがカスだったことはお伝えしましたが、先月ほどではないにしろ、今月も相変わらず苦戦しています。

 

www.shigeru-sato.com

 

そんな中、カリフォルニアに居を構えるアセンドキャピタル(Ascend Capital)もファンドの閉鎖を決断したようです。

アセンドキャピタルは株のファンドなのですが、2008年の金融危機や、2011年の欧州危機など、マーケットが下げてその他の株ファンドが平気で何十%も大損をこく中、勝てないものの負けずに耐えたことで、「下落時に強いファンド」として評判を高めて資金を増やしてきました。

ところがここ数年、米株がひたすら上昇を続ける中、2016年、2018年とマイナスのパフォーマンスとなっており、2017年もマーケットを大幅にアンダーパフォームなど苦戦を強いられていました。

一時期は35億ドルの資金を運用していたのですが、直近ではその半分にまで落ち込んでいました。

アセンドに限らず、さらに言うと株ファンドだけに限らず、ここ数年ヘッジファンドは不振にあえいでいます。

S&P500がこれだけ上昇している中、ヘッジファンドの不振は余計に目立ち、本当に手数料を支払ってまでヘッジファンドにお金を預ける意味があるのかと世の中が懐疑的になっているのも当然です。

よく、ヘッジファンドの料金体系は、「two-twenty」と言われます。つまり管理報酬として勝っても負けても年間2%、勝った場合は成功報酬として稼いだ分の20%を持っていくわけです。近年では、その低調なパフォーマンスに対する批判を受けて料金水準が下がってきており、管理報酬1.5%、成功報酬15%というファンドも多く出てきているのですが、存在価値が薄まっているのは間違いありません。

その理由として、ヘッジファンド業界自体に資金が流入しすぎて競争が激しくなったこと。また、ブリッジウォーターも運用しているリスクパリティや、スマートベータなどと言われる、パッシブなマネーによるファンダメンタルズのゆがみなどが挙げられると思います。

しかし、当ブログでも何度か書いている通り、世界経済の踊り場に来ているのは間違いなく、さらにポピュリズムの台頭という地政学的リスクが高まる中で、再びヘッジファンドの価値が高まるのではないかと思います。

若干自分の業界の宣伝が入ってますが(笑)

ではでは。