佐藤茂のときどき真面目な金融日記

とある外資系トレーダーが綴る、金融中心かと思いきや雑多なブログ

2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧

スワップの基礎(1)金利スワップ

このシリーズでは、スワップを解説していきたいと思います。一口にスワップと言っても、金利スワップや通貨スワップ、為替スワップなど、多種多様です。全種別をひとつひとつ見ていくことはしませんが、主要なスワップの基礎を解説していきたいと思います。 …

なぜ西野戦略が批判されるのか。W杯日本 vs ポーランド戦に見る日本の国民性。

こんにちわ、佐藤です。前回に引き続きW杯ネタです。 すでにご存じだと思いますが、昨夜のW杯グループ最終戦で日本のとった戦略が批判にさらされていますが、個人的には「なんで批判されなあかんねん」という印象です。 特に、海外メディアの批判は無視して…

ゴールドマンのAI予想によると、ワールドカップはブラジルが優勝するらしい。

こんにちわ。今回は巷で盛り上がっているワールドカップについてです。 ゴールドマンがAIを使ってワールドカップを予想したところ、ブラジルが優勝するというレポートを書いていたので共有したいと思います。 World Cup final showdown between England and …

米中貿易戦争の本気度は?今とるべき戦略とは。

さて、今回は相場の話をしようと思います。 株、為替、債券、コモディティ全部ひっくるめると、今の相場を動かしている一番の要因は貿易戦争への思惑です。株と為替も、「貿易戦争」が意識されると円が買われたり株が下げてと忙しいですね。 つい先日は、独…

債券の基礎(6)レポ取引

前回はデュレーションについて解説しました。 今回はレポ取引について説明したいと思います。 レポ(Repo)とは英語のRepurchase Agreementを略したもので、いろいろな形態があるのですが、本質的にはどれも同じで「債券と現金を一定期間交換する契約」と言…

債券の基礎(5)デュレーション

前回はFRAとユーロダラーについて説明しました。 さて、『債券の基礎』というからには必ず説明しないといけないのが「デュレーション」(duration)という概念です。直訳すると「期間」という意味になります。このデュレーション、債券トレーダーにとっては…

債権の基礎(4)FRAとユーロダラー先物

前回は、フォワードレートという概念を説明しました。要は、将来のある時点からある時点までの金利のことです。今回は、その将来の金利を取引するFRAとユーロダラー先物について解説します。FRAは「フラ」と呼んだりします。 FRA ユーロダラー先物 FRA 今、…

債券の基礎(3)フォワードレート

前回はゼロレートがどういうものかを学習しました。 そして、ゼロクーポン債の利回りと通常のクーポン債の価格からブートストラップ法を用いて色々な期間ゼロレートを求め、ゼロカーブから未知の期間のレートを推定するということを確認しました。今回は、フ…

債券の基礎(2)ゼロレートとブートストラップ法

前回、債券の価格が、『デリバティブの基礎の基礎』で見たように、将来のキャッシュフローを現在価値にディスカウントして求められることを確認しました。その際に使ったのは、現在からキャッシュフローが立つ各時点までのディスカウントレートでした。 この…

債券の基礎(1)価格と利回り

このシリーズでは、債券の基礎について解説したいと思います。当シリーズは『デリバティブの基礎の基礎』シリーズでの知識を前提としていますので、まずはそちらを読まれることをお勧めします。またこのシリーズは、次に続く『スワップの基礎』を読むための…

デリバティブの基礎の基礎(5)いろいろな金利指標

前回では「適切なディスカウントレートを用いて将来の価値を現在の価値に換算する」ということの意味を見ました。現実にはそんなものは無いのですが、リスクの無い資産に対しては、無リスク金利なるものでディスカウントすれば良いと言いました。 世の中には…

デリバティブの基礎の基礎(4)プレゼントバリュー(現在価値)とディスカウントレート(割引率)

前回は無リスク金利とは何かについて解説しました。 今回はいよいよ『デリバティブの基礎の基礎』の骨幹、「プレゼントバリューとディスカウントレート」について見ていきましょう。 無リスク資産の現在価値 無リスクでない場合 リスクという究極の難問 年N…

デリバティブの基礎の基礎(3)無リスク金利

前回は、金利には「単利表示」と「複利表示」があることを見ました。そして、ファイナンスの世界ではしばしば「連続複利」で金利を考えると便利であることを説明しました。 今回は、デリバティブの世界でよく使われる「無リスク金利」について説明します。英…

デリバティブの基礎の基礎(2)単利と複利

前回は、フォワードについて学習しました。そして、「裁定機会が存在しない」と仮定することでフォワードの公正価格を求めることができました。目標は「将来のキャッシュフローを現在価値にディスカウントする」という考えを習得することですが、そのために…

ヘッジファンドの偉人たち(1)アラン・ハワード(Alan Howard)が先月+36%稼いだらしい!巨人復活なるか!?

hejjこんにちわ。佐藤です。 今ヘッジファンド業界で話題になっているのが、アラン・ハワードが先月(2018年5月)に+36%勝ったというものです。この人です。 『出典:Bloomberg』 ヘッジファンド業界には何人かの巨人がいます。有名どころで言えば クォンタ…

デリバティブの基礎の基礎(1)フォワードと裁定取引

このシリーズでは、株、債券、その他アセットクラスに限らず、デリバティブの基礎となる考えを解説していきたいと思います。 デリバティブを考えるときのもっとも根本的な思想として「将来のキャッシュフローを現在価値にディスカウントする」というものがあ…

「リーマンショック」と言っても外国人には通用しないよ!「Financial Crisis」と言おう。

こんにちわ。佐藤です。 今日、金融セクターではない日本人の友人と前回の記事(「セル・イン・メイ」(Sell in May)を検証してみた。日本株のシーズナリティを見てみよう。)について話をしていたところ、「リーマンショック」という言葉が登場したので記…

セル・イン・メイ(Sell in May)を検証してみた。日本株のシーズナリティを見てみよう。

こんにちわ。佐藤です。 年を取るにつれて、月日の経過がますます早く感じられます。今年も早くも5月が終わりました。そこで今回は、相場に関する有名な格言のひとつ、「Sell in May and go away」について検証してみたいと思います。要は株は5月以降下が…

日本語の一人称って難しいなあ。

初めまして。佐藤です。 とあるところのとあるファンドでトレーダーをしています。 今回、ブログなるものを初めてみることにしました。 きっかけは、最近金融関連の本を書いていてそれについて知人と雑談をしていたのですが、私の話はそこそこ面白いらしく、…