佐藤茂のときどき真面目な金融日記

とある外資系トレーダーが綴る、金融中心かと思いきや雑多なブログ

米中貿易戦争。アメリカが弱気になる理由はゼロ。窮地の習政権。

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こんにちわ。佐藤です。

3週間ほど前にこんな記事を書いたんですが、あれからアメリカ人、中国人含めて詳しい連中からいろいろ情報を得たのでアップデートしたいと思います。

 

www.shigeru-sato.com

 

まず、修正点。

前回私は、どこかの段階でアメリカ側からトーンダウンするのではと見ていましたが、どうもなさそうです。

というのも、何度かツイートしていますが、今週から始まったアメリカ決算が予想通り強くなりそうで、アメリカのファンダメンタルが非常に強いため、貿易戦争によって米株が下がるというシナリオはなさそうだということです。

また、これは貿易「戦争」であって、中間選挙に向けてリーダーシップを見せたいトランプにとって、株が下がらないのであれば弱気になる必要が一切ありません。実際トランプの支持率は足元上がっています。

反対に、厳しい立場に立たされているのは習政権のほうです。アメリカが発表している関税の対象となる総額は、すでに去年中国がアメリカから輸入した総額を超えており、関税だけで対等の報復をするのは難しくなっています。

そこで世のマネーマネジャーは、中国の対抗措置に目を光らせているわけですが、アメリカが2000億ドルの追加関税を発表してから、中国から一向に話がでてきません。また、中国国内では追加関税の報道が抑えられているらしく、すでに中国政府にとって、この戦いは分が悪いというのを悟っているようです。報道した上で満足いく交渉ができなければ、それは中国政府の面目丸つぶれですから。

で、前から言うように、そもそも貿易戦争がなくとも中国経済の減速がこれから徐々に明らかになってくるでしょう。中国政府にとっては、レバレッジ解消と同時に経済成長の舵を取るという、すさまじく難しいタスクが課されていることになります。

ということで、今後はしばらくアメリカ株価が世界株価を下支えするという状況になるかと思います。まあ、アメリカ経済も来年あたりそろそろしぼんでくるサイクルですが。

で、当面の戦略ですが、これは前回と変わらず、「貿易戦争が意識されてリスクオフ」になったときに下値を拾うというイメージで、主に為替の短期プレーに注力したいと思います。

ただ、もうしばらくしたらそろそろドル売りフェーズが来ると思うので、その時はやや長めのスタンスでドルショートを想定しています。

以上、久しぶりの相場トークでした。